2012年9月10日月曜日

ラッパー的に聴いたほうがいいと思うアルバム

なんとなく、僕のラップのルーツ的な感じです。
このアルバムをこーいう感じで聴いてみたら、ラップする上で参考になるかも的な。


HEAVEN / SEEDA

SEEDAは出す作品すべてが間違いない、日本では珍しいモンスター級のラッパーですが、
前期SEEDA(ハスリンラップ)の完成版がこのアルバムかなーと個人的には思ってます。
Bach LogicとI-DeAプロデュースの、上質なサンプリングビート満載でザ・ヒップホップって感じです。
その上で、SEEDAが一番スキルフルで自然にラップしている頃だと思います。

スキルだけで言えば、
ここ2年くらいの日本のスキルインフレもあって、そこまで目新しくはないかもしれないですが、
ビートに日本語を心地よく馴染ませるっていう意味で、フロウ等含めて凄く参考になると思います。
とにかくSEEDAは日本語を音としてビートに馴染ませる才能が飛びぬけてますね。



The DeAndre Way / Soulja Boy Tell Em

僕の推しメン、影響も多分一番受けている、ソルジャボーイですが、
Crank Thatダンスの人でしょっていうイメージの人には是非聴いてみてほしいアルバムです。
(たぶんPV5曲分を含む、収録曲の7割くらいがYoutubeにあがってます。)

普通のラッパーが乗せたら、とても聴けないダサい曲になりそうな、しかも様々な音色の、
一癖も二癖もあるビート群を、真面目なのか、ふざけてるのか、ギリギリのアプローチを駆使して、
次々と自分のものにしていく物凄いアルバムで、フロウ巧者以外の言葉が見つからないです。
フロウってここまで遊べるんだ!っていうイメージの幅が物凄く広がると思います。

とにかく、そもそも常識なんて枠の外からヒップホップのシーンに入り込んできて、
一発屋で終わるかと思いきや、クランクからスワッグに思いっきり方向転換して、
デビュー時の勢いこそないものの、この涼しい顔でシーンに居座り続けている曲者。
今後も要チェックですね!



My Beautiful Dark Twisted Fantasy / Kanye West

最近はアルバム毎に新しいスタイルを提示しながら、
クオリティは最高で有り続ける鬼才、カニエ・ウェストですが、
このアルバムでは、いかにも「お金をかけて作ったヒップホップ」が味わえます。

世界中のシンガーをコーラスに散りばめたAll of the Lightsを筆頭に、
見事にヒップホップを、一ジャンルに留まらない音楽芸術に昇華しています。
音や内容の好き嫌いはあれど、この圧倒的なクオリティは是非聴いておくべきだと思います!



空からの力 / キングギドラ

僕は正直、あまりたくさん曲をディグるタイプではなく、
その上で、洋楽多めで聴くので、日本語ラップの知識は本当に乏しいんですが、
最近の母音崩しとか、子音を小さく発音したりとかの、新しいテクニックなしに、
日本語を日本語のまま、母音を合わせるっていう初期の日本語ラップの韻の踏み方だけで、
きっちりとリズムを合わせれば、ここまで聴けるものができるっていう意味で大事だと思います。
まさに日本語ラップの教科書って感じのアルバムなんじゃないかと!

あと、90年代のヒップホップの空気掴みたいなら、無理にNasのIllmaticとか聴かなくても、
このアルバム聴きこめばいいんじゃないかなって個人的には思います。
プロデュースのネームバリューとかは当然落ちますが、日本語で意味も分かるし、
ZEEBRAも英語の90年代ラップを消化した上でのラップをしてますし。




The Blue Print 3 / JAY-Z

僕がラップ始める前の半年くらいに、一番聴きこんでたアルバムで、
それまで1年半ほど聴いてきた色んなヒップホップアルバムを押しのけて、
僕のヒップホップにおける「カッコよさ」の考え方の基礎になった作品です。

「ユタ州のおばさんまでもがBlingBlingって言い出したら、もうそれは俺たちが使っちゃだめなんだ」
っていう例えをJAY-Zが何度もこのアルバムに関するインタビューで言ってたんですが、
ヒップホップはひとつの流行で停滞してはだめで、
ヒップホップが作りだした流行を、みんな(ヒップホップ以外の人たち)も真似し始めたら、
自分たちは次の新しい流行をつくることに手をつけないといけないっていう精神がアルバム全体に一本通ってます。

その代表作が「もうどいつもこいつもオートチューン使ってるだろ、やめようぜ」なD.O.A.だったり、
次に進もうっていうOn to the next oneやoff thatなわけで、
ヒップホップのカッコよさの中で大切な一要素である「フレッシュだ」ってのは何かってのを、
もう40歳を迎えたベテランラッパーであり、デビュー以来フレッシュで有り続けたJAY-Zが、
自分の過去をセルフボーストしながらも、立ち止まらずに示したアルバムです。

とにかく必聴だと思います!




他にもwiz khalifaのrolling papersとか、漢のみちしるべとか、
カニエの全アルバムとか、エミネムとかナズとかニッキーミナージとかドレイクとかCURSEとか、
あと、まだアルバム買ってないけど最近、物凄くハマりはじめたルーペ・フィアスコとか、

いろいろあるんですが、とりあえずこの5枚ですかね!